「「石原莞爾 その虚飾」 佐高 信(講談社文庫)」読みました!

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 「昭和」を振り回した6人の男たちの中で、考え方がよくわからなかったのが、1931年9月18日午後10時30分に柳条湖事件を起こし、満州国の建国を企画した 石原莞爾中佐の考え方だった。
何か 『言うことと やることの違う人』という感じで、評価が難しい。
で、同郷の先輩であり、山形県庄内地方の英雄である石原莞爾さんの『伝説』の欺瞞性を批判し、偶像をはぎ取る作業を、1997年8月号から2000年1月号までの朝日新聞社発行『一冊の本』での 連載を通して継続し、石原莞爾さんの行為は 『放火犯の消火作業であった。』と喝破した、佐高信さんの本を読み直しました。

 本の目次は、以下のとおり。

第一章      二人の女性の対照的な石原観
第二章      驚くべき写真
第三章      青年元帥
第四章      分身、花谷 正
第五章      一九〇四年秋、仙台
第六章      予一個ノ責任
第七章      渇しても------
第八章      短慮な暴れん坊
第九章      アラビアのロレンスとの比較
第十章      『奉天三十年』
第十一章     凍りつく希望
第十二章     ゴマノハイは誰か
第十三章     満州建国前夜
第十四章     予見者なりや
第十五章     建国大学の現実
第十六章     心中外交
第十七章     今村均の回顧
第十八章     拡大する矛盾
第十九章     異色官僚と異色軍人
第二十章     陸軍と海軍
第二十一章   『毛唐』の国で
第二十二章   東亜連盟思想の独善と錯誤
第二十三章   百殺一共
第二十四章   床の間の置物
第二十五章   空想の膨張
第二十六章   日本人から離れる
第二十七章   宮崎正義という黒衣
第二十八章   六族協和
第二十九章   二人の法華経行者
第三十章     放火犯の消火作業
あとがき

〔 解説 〕斬馬剣の下に  『石原莞爾と日本社会』       山室信一


  評論家として、幅広く経済問題・政治問題を取り上げ、問題の本質、経営者や政治家の本質をいつも鋭く指摘される、佐高信さんの手法・思考が遺憾なく発揮された作品だ。
佐高さんが 暗に批判されているのは、昭和の戦争を正当化し聖戦であったかのように定義するため石原莞爾氏の主張を断片的に持ち上げる、歴史観・世界観に欠けた文筆家だけではない。
社会の閉塞感の中で、時代の英雄を待望し、その主張を盲信して痛みを忘れようとする庶民の心証そのものが問いただされている。
 解説の山室信一さんは、明確に以下のような指摘をされる。
319P 騙されるものこそ最も大きな夢を見る。そして、夢を語るものは、騙されるものが愚かなのだと嘲笑せんばかりに自ら結果責任を負うことはけっしてない。悲惨な結末の 詰め腹を切らされるのは、つねに幻無に惑わされ、翻弄されたものだけである。
321P 本書には、歴史的事象と現在の局面とを幾重も折り重ねて見通すための仕掛けが随所に施されており、石原を通して日本社会を斬り、あるべき人の振る舞いや出処進退の方途とは何かを知るためのヒントがさりげなく埋め込まれている。 読者は、それら世に処するための見識をそこここに掘り出して発見するという読書の快楽にひたることができるのである。

 山室信一さんの力の入った解説にも感動しました。


  参考ホームページ :

   講談社bookクラブ  http://shop.kodansha.jp/bc/

  

   本屋さんbk1     http://www.bk1.co.jp/p-takase-k47303/







  

 



 

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